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2024年12月19日
学生 教員 取り組み 地域交流

【地域交流センター】成果企画展「質屋と女性~一葉も通った伊勢屋質店~」を開催しました!

本学では、文京区指定有形文化財である『菊坂跡見塾(旧伊勢屋質店)』を所有し、文京区と連携し、教育活動に活用しながら、保存・一般公開事業に取り組んでいます。

こちらの「菊坂跡見塾」において、2024年11月16日(土)~12月14日(土)までの毎週土曜日(計5日間)、成果企画展を開催しました。こちらの企画展は、有志学生で構成する跡見「学芸員」in菊坂のメンバーが約半年間かけて企画・準備にあたり、多くの方にその研究成果を見ていただく機会として実施しています。

今年の企画展では、約120年にわたる伊勢屋質店の歴史のなかで、明治期および昭和初期の女性の質屋利用者について分析した成果を紹介しました。昭和初期については、伊勢屋質店柳町支店の『質物台帳』(昭和12~13年)を分析しました。この質物台帳の分析成果の発表は、昨年度の企画展「質屋の記録~見えてくる昭和初期の暮らし」に続く第二弾となります。明治期については、ここ伊勢屋質店に通った女流作家・樋口一葉の日記を分析しました。女性たちはどのようなものを質入れし、いくら貸し出したのか、その価値はどれくらいだったのか。時代は異なりますが、当時の女性たちの暮らしや質屋の利用状況の一端を読み解くことができます。

特に今回は子どもたちにも楽しんでもらえるように、展示パネルにルビを振ったりイラストを多くしたりわかりやすく伝えるよう心掛けたほか、小学生ワークショップ「質屋ごっこ」も企画しました。また、金銭事情から樋口一葉の人生と文学を読み解いた『一葉赤貧日記』の著者である伊藤氏貴先生をお招きし、トークセッション「女性職業作家誕生‐なぜ樋口一葉は日本初の女性職業作家になれたのか」も開催しました。

質屋ごっこ

伊藤氏貴先生のトークセッション

 

参加者からは、「とても楽しい展示だった。パネルも見やすく、難しい内容でも理解しやすかった」(企画展参加者)、「質屋の仕組みについて体験を通して理解が深まった」(ワークショップ参加者)、「一葉の人生と文学について楽しく学べた」(トークセッション参加者)、などの感想が聞かれ、大変好評でした。

約半年間にわたる準備を経て大きく成長した学生たちですが、企画展初日は不安げな様子でした。しかし、来場者が楽しまれている姿を見てホッとし、次々と投げかけられる質問にも答えて自信を付け、最後には達成感と満足感にあふれた笑顔を見せてくれました。