【観光デザイン学科】篠原ゼミが産学連携のフィールドワークを実施 天王洲アートクルーズの船上ガイドとして学生が活躍
観光デザイン学科の篠原靖准教授のゼミ生22名が、5月31日~6月2日までの3日間、東京・品川で開催された「天王洲キャナルフェス2024春夏」の会場で、観光によるまちづくりのフィールドワークに臨みました。
東京湾に接する天王洲エリアでは、一般社団法人「天王洲・キャナルサイド活性化協会」が協会会員企業とともに、点在するアート作品や、ウォーターフロントのロケーションを生かした文化観光の体験都市づくりを進めています。篠原ゼミは会員企業の一つであるパナソニックグループとの産学連携で、天王洲エリアに観光客を呼び込む実証実験に取り組んでいます。
フェスで実施したのは、パナソニックグループが開発するクラウド型多言語ガイドシステムと篠原ゼミ生によるツアーガイドを融合させた、東京湾を巡るアートクルーズ企画です。船上から見えるビルの壁面に描かれたアート作品や観光スポットなどを、自動音声ガイドとゼミ生が交互に連携しながら紹介。観光サービスにおける「人」と「デジタル」の役割のあり方や融合の可能性について学ぶ機会になっていました。
アートクルーズの乗船時間は約45分。6月1日と2日に計10回出航し、毎回2名の学生が乗船してガイド役を務めました。
「いま海上を飛んでいる、少し細長いフォルムをした鳥は鵜です」
「左手の岸に係留されている警視庁の船は川の事故、消防庁の船は海の事故の際に出動します」などの「豆知識」も披露。さらに、こんな場面も──。
「先輩には特技があると聞いたのですが、それは何ですか?」
「クレヨンしんちゃんのものまねが得意です。では、ここで披露しますね。<わぁ~い、きれいなお姉さんがいっぱいだなぁ~>」
「人」だからこそできる、目の前の乗客を飽きさせないサービス精神を発揮。そのガイドぶりに拍手が送られていました。
ものまねを披露した観光デザイン学科3年生でゼミ長を務める千野心優さんは、「乗客を楽しませるために、私たちに何ができるのかを考えて、子どもたちも喜んでくれるものまねを思いつきました。教室で学んだ観光の知識を、こうしたイベントで実践的にアウトプットできるのが篠原ゼミの良さです。社会へ出たときに生かせる力が身に着けられると思います」。
ガイド役のゼミ生たちはこの日を迎えるまでに約1か月間、合同練習や自主練習を重ねたそうです。Googleマップで航行ルートを確認し、案内する観光スポット間の距離を調べ、航行時間内に収まるように説明文を書き加えたり、削ったり。万全の準備を整えて、自分たちなりの観光サービスを実践しました。
初めてガイド役を務めた観光デザイン学科2年生の渡辺遙香さんは、3、4年生の先輩たちとのつながりや、産学連携プロジェクトで学外の人たちとの関わりに触れ、「いろんな人たちから成長させてもらっていると感じます。活動に取り組むうちに天王洲という街が好きになり、自分ごととして、まちづくりを考えるようになりました」と、ゼミ活動への思いを語ってくれました。