14 回目となる文京区主催の「朗読コンテスト」本選を本学で開催

文京キャンパスのブロッサムホールに100名を超える朗読ファンを集めて11月2日(日)、文京区が主催する第14回「朗読コンテスト」の本選が開催されました。今年のコンテストには北は北海道から南は熊本まで、12歳から85歳までの約300名の応募があり、録音審査を通過した15名が本選に出場(1名欠場)。文学作品の世界を、それぞれの解釈と表現力で情感豊かに読み伝えていました。
このコンテストは、後半生を文京区で過ごした明治の文豪森鴎外の生誕150周年を記念して2012(平成24)年から始まりました。文京区の「文の京ゆかりの文化人顕彰事業」の一つです。文学部をもつ本学は初回から区と連携してコンテストの運営に携わってきました。
今年のテーマは「作家になった教師たち」 3人の作家の6作品から一つを選んで朗読
今年は文京区が、熊本県、熊本市、新宿区との間で締結した「文化と歴史を縁とする包括連携」10周年に当たることから、それぞれの地に縁のある作家から、小泉八雲の『むじな』と『雪おんな』、徳冨蘆花の『不如帰』、夏目漱石の『夢十夜』『こころ』『坊っちゃん』の6作品を課題作として、日本近代文学を専門とする小仲信孝学長が選定しました。
開会の挨拶で小仲学長は、3人がいずれも熊本で教師生活を送った後、東京で作家になったことを紹介。また、東京帝国大学の講師として八雲の後任に漱石が就くことで巻き起こった学生たちの騒動に触れ、作家たちの奇縁を語りました。

一人舞台に立ち、多くの観客に読み聞かせる出場者
本選では、23歳以下が対象の「青少年の部」6名と「一般の部」8名が1作品を選んで、1人3分以上4分以内の持ち時間で朗読しました。会話文では人物ごとに声色を変え、驚きや怖れなどの感情を語りで表現し、作品の世界に観客を引き込んでいました。
最優秀賞の青少年の部は柳田恵璃果さん、一般の部は佐々木照代さんに
審査結果は次の通りです。
■青少年の部
【最優秀賞】静岡県の柳田恵璃果さん/朗読作品『夢十夜』
【優秀賞】宮城県の宗像七海さん/朗読作品『むじな』
【優秀賞】岩手県の水澤美咲さん/朗読作品『雪おんな』
■一般の部
【最優秀賞】青森県の佐々木照代さん/朗読作品『夢十夜』
【優秀賞】大阪府の村上征夫さん/朗読作品『夢十夜』
【優秀賞】京都府の柳原和美さん/朗読作品『こころ』

青少年の部の最優秀賞に選ばれ、小仲信孝学長から賞状を受け取る柳田恵璃果さん
「青少年の部」で最優秀賞に選ばれた浜松学芸高校3年の柳田恵璃果さんは、放送部員として今年の全国高校総合文化祭放送部門の朗読部門で優秀賞を受賞して、このコンテストに臨みました。「まさか選ばれるとは思っていなかったので本当に嬉しいです」と喜びを語りました。課題作の中から「自分の声に一番合っている」と考えて夢十夜を選び、読み方が単調にならないように、間の取り方やイントネーションなどを先生や友人のアドバイスを受けて練習し、この日を迎えたそうです。将来の夢は声優と語り、観客から大きな拍手を受けていました。

一般の部の最優秀賞に選ばれた佐々木照代さん
「一般の部」最優秀賞の佐々木照代さんは、視覚障害者向けの音訳ボランティアとして朗読歴は40年以上。2014年に優秀賞を受賞していますが、今回の最優秀賞には「うれしいです。びっくりです」と緊張の面持ちで受賞インタビューに答えていました。本選の舞台で心がけたことは「力まず、急がず、間を大事にして読もうと思いました」と語り、今後も新たな作品の朗読に取り組んでいきたいと意欲を見せていました。
高橋淳之審査員長 「朗読は作品を伝え、自分を伝えるものです」

出場者の朗読の素晴らしさを称え、講評する高橋淳之審査員長
審査員長を務めたNHK財団ことばコミュニケーションセンター専門委員の高橋淳之さんは講評で、舞台に立って朗読する緊張感を楽しみながら力を発揮した受賞者、出場者を称えて、こう語りました。
「朗読は作品を伝え、そして自分を伝えるものです。自分の体、肉体を通して作品の世界を人に伝える、誰かとつながろうとする活動です。伝え手が誰なのか、誰に向かって話しかけているのかということを考えながら、これからも朗読に取り組んでいってください」

審査員と出場者が舞台に並び記念撮影
■文京区の「朗読コンテスト」記事はこちら
https://www.city.bunkyo.lg.jp/rekishikan/p004361.html
■朗読コンテスト本選はYouTubeの「文京区公式チャンネル」で2026年2月に公開予定です。
https://www.youtube.com/@citybunkyotv/videos