
2026/02/20

工芸室の前を通ると、少しツンとした独特の匂い……。いま、中学3年生の美術の授業では、「銅板レリーフ」の制作が佳境を迎えています。1月30日(金)に行われた授業をのぞいてみました。

丹念に裏から叩き出し、立体感を生み出した生徒たちの力作。しかし、ピカピカの銅色のままでは、どこか「未完成」な印象です。
ここで登場するのが、今回の工程の主役である「いぶし液」です。生徒たちが液を塗ると、鮮やかな銅色がみるみるうちに深みのある黒褐色へと変化していきます。
ここでピンときた生徒も多かったようです。「先生、これ中2の理科でやった『硫化』ですよね?」 その通り!
中学2年の理科で、鉄と硫黄を結びつける実験を覚えているでしょうか?今回の作業では、銅といぶし液に含まれる硫黄成分が化学反応を起こし、表面に硫化銅の皮膜を作っています。ただ黒く塗るのではなく、化学変化によって表面の性質そのものを変えることで、金属特有の重厚な質感と、時の流れを感じさせるアンティークな風合いが生まれるのです。
真っ黒に「いぶされた」銅板を、今度はスチールウールで丁寧に磨いていきます。
すると、凸の部分だけが再び鈍い輝きを取り戻し、凹部分の黒色との見事なコントラストが浮かび上がります。


理科で学んだ「物質の変化」という知識が、美術の表現における「美しさ」へとつながる瞬間。
「知識が美をつくりだす」という跡見らしい学びの風景が、そこにはありました。






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