
7月25日(金)夏期受験講習で中学3年生~高校3年生希望者を対象に昭和女子大学の出張講義が行われました。担当してくださったのは、昨年度に引き続きグローバルビジネス学部会計ファイナンス学科の山田隆教授です。
今回のテーマは「経営者・銀行員・投資家になって お金を増やしてみよう!」でした。
実際の企業運営で行われている、CFO(企業におけるChief Financial Officer財務・経理のトップ。今回は便宜上経営者)、
銀行家、投資家の三者の役割に分かれて、カフェ出店プロジェクトの資金調達についてゲーム形式で行いました。
経営者はまず、事業A~Dのそれぞれ成功確率は高いが儲けは少ないものから成功確率は低いが、儲けは多いものの中から選びます。
資金調達の際に、お金を出す側は、その事業について、それぞれの立場で変更を迫ります。
銀行は融資したお金が回収できればよいのに対し、投資家は出資金が返却されないリスクがあるものの、
カフェが儲かれば利益は受け取れるので、少しでも利益を上げたい。同じようにお金を出す側も視点が違います。
また、数学で学ぶ期待値も、現実の金融市場ではどのように考えるのかなどを学び、実際にどれくらいのリスクと
リターンが期待できるか計算して、お金を貸すか、金利はどうするかなど、ゲームながらも本格的な内容が展開されました。
お金はシールで100万円×3枚=300万円ずつ各自に渡されましたが、シールであっても、参加者はなかなか簡単に融資や出資をしません。
一生懸命期待値を計算しながら、経営者と交渉します。
最後は好きな数字を選んで、その数字によってプロジェクトが成功したかどうか、つまり大きな利益があったかどうかが明かされます。
プロジェクトが成功したチームは立ち上がって喜んでいました。
世の中のお金の動きについて実践的に学ぶよい機会となったようです。
▼生徒の感想▼
・自分で経営するときは銀行員や投資家それぞれの立場に立って自分のプロジェクトをうまく説明しなければならないと言うことについて考えさせられました。理由として、この二つの立場は全く異なりどう説得するかも人によって異なると思うのでプロジェクトを進めていく上での肝になる部分だと思います。
もう一つ、投資界での「リスク」についてです。例え話としてマンションや東京スカイツリーから落っこちると言う想定であった時に「東京スカイツリーから落下したほうがリスクは少ない」と言う話を聞いて印象に残りました。理由は、話が印象に残りやすいように設定されていたと言う部分も多少なりあると思いますが、普通の場合は『どの方法が一番危ない方法なのか』で考えるところを投資の際は『どの方法が一番確実に物事が起こるか』(→確実性)で決めているところに意外性を感じました。(中3)
・経営者がどのプロジェクトを選択するか、また、投資家はどのようにすれば経営者のプロジェクトを変更させられるかについて考えさせられました。ただ言葉で交渉をしても埒が開かないからです。
また、今回の講義を将来の職業を考える際に金融に関する職業の選択肢が広がるため、そこに活かしたいと思います。将来お金のことで騙されないようにし、お金について大きな決断をする際に活かし、自信を持ってその決断をできるようにしたいと考えました。(中3)
・私の班では、じゃんけんでCEOを決めて結果、私に決まりました。一生懸命プレゼンをして1100万円集まりましたが、成功確率80%のA事業を選んだのにも関わらず、失敗してしまいました。出資者の皆に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
さらに驚いたことは、同じくA事業を選んだ別の班が同じく失敗確率の20%になる数字を選んだことです。信じられませんでした。失敗確率20%を2班両方ドンピシャに選ぶとは…!私自身成功確率80%なんだから多分成功するでしょと気軽に考えていた為尚更、衝撃的でした。こんな事もあるんだ……と、いい意味で冷水をかけられて目を覚まされた気分です。(高1)
・ゲームについて利益率や期待値、銀行に返すお金など考えることが多かった。利益は欲しいので成功確率は高いが、あまり儲けのでないA事業は選ばず、銀行に返すお金を残すため投資者に沢山のお金を要求したかったのですが、あまり挑戦しすぎると銀行からそもそもお金を貰えなかったりするので匙加減を悩みました。投資は国債とどんな違いがあるのかがよく分からなかったのですが、教授がおっしゃったアルバイトの例が分かりやすく、身近な話に置き換えられることなんだなと驚きました。
今回の様な講座をまた受けてみたいと思います。学部説明とは違い実際にゲームをしながら楽しく理解できてとてもよかったと感じました。(高2)
・私は銀行員の立場でゲームに参加しました。事業A~Dの場合をそれぞれ考え、さらに融資の利息はどれくらいにするのかも考え、銀行の利益がマイナスにならないようにすることが難しかったので、銀行の立場でゲームをした際、お金を貸してもマイナスにならないようにするにはどれくらいの金額まで貸せるのかを考えた事が印象に残りました。(高3)