学園創立150周年を記念したホームカミングデーに1100名を超える卒業生が参集

2025年6月18日
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画家・書家でもあった教育者の跡見花蹊が1875(明治8)年に、日本人による国内初の女子の私学校として開校した跡見学園は、今年創立150周年を迎えました。長きにわたる学びの歴史を祝して卒業生が母校に集い、同窓生や恩師と再会するホームカミングデーを5月10日、文京キャンパスで開催しました。

女学校・中学校高等学校卒業生の「泉会」、専攻科・短期大学卒業生の「桃李の会」、女子大学の「一紫会」の3つの校友会から合わせて1126名の卒業生が参加し、旧友との再会を喜び合い、談笑に花を咲かせました。

全体会で挨拶に立った跡見裕理事長は、「中高は伝統を生かした教育で非常に評価が上がっています。大学は新しい学部をつくり、全学部が茗荷谷の地で4年間学ぶ体制を整えようとしています。跡見でなくてはできない人材・人物を、しっかりと世の中に送り出すことに教職員が全力を尽くしています」と語り、同窓生のさらなる力添えをお願いしました。

ホームカミングデーに参集された卒業生に挨拶をする跡見裕理事長

中高の松井真佐美校長は、校長職に就いた2018年度からの教職員一体となった教育改革を振り返り、就任以前の2倍を超える受験者数となった現状を報告。面談室やラウンジ、自習スペースを備えた中高施設の「多目的棟」が、卒業生の寄付により今夏竣工することに謝意を述べました。

女子大学の小仲信孝学長は150周年を機に、理系の学問領域へ踏み出す「情報科学芸術学部(設置認可申請中)」の開設、文京キャンパスへの一元化、学部学科再編という「3つの挑戦」に臨んでいることを伝え、少子化の時代を生き抜き、女子大学としての歴史を前進させるための改革への決意を語りました。

全体会の式典は中学校高等学校の大アリーナで開催

卒業生を代表して跡見校友会の松浦仁子会長は、学祖である跡見花蹊が目指した「人格と情操の涵養を図り、自律し自立した女性の育成」という学園の教育方針に触れ、「150年変わらずに受け継がれている跡見の教育のもと、大切に育てていただいた私たち卒業生は、社会に出ても、跡見の卒業生ということで周囲から大事にされたように思います。校友会は今後も学園に寄り添い、学園を応援して参ります」と祝辞を述べました。

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全体会の後はそれぞれの校友会に分かれて懇親を深めました。150周年を迎えた母校に寄せる思いや、学生時代を振り返っての思い出などを卒業生に語っていただきました。
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大勢の卒業生でにぎわった中高校友会主催の「泉会茶話会」

🌸泉会・1968(昭和43)年度の中高卒業生🌸
高校3年生のとき、運動会の実行委員長をやりました。宣誓文は今も覚えています。「私たち1851人は、今日の運動会において、日ごろ学んだことを遺憾なく発揮し、スクラムを組んでがんばります」と言いました。当時は1クラス56人いました。中学に入学して最初の朝礼で校長先生が、「ガムを噛んではいけません」とおっしゃったんです。行儀が悪いからということですが、それがインプットされてしまって、ガムを口にしたことはほとんどありません。先生方にいろいろと教わったことが、ずっと心の中の栄養になっているように思います。

🌸泉会・2019(令和元)年度の中高卒業生🌸
社会人になって3年目ですが、今の友だちも、多くは跡見で同じクラスだった子です。友だちと一緒にいろんなことを見聞きして過ごしたことで、自分の人格や価値観が形成されたと思っています。そうした価値観を共有できる友だちに出会えて、今も一緒にいられることを幸せに感じます。跡見中高で教わったのは、女性として強く生きること。自分で道を選択して進むことです。150年の長い歴史の一部分に加わることができて誇らしいです。

短大卒業生の「桃李の会茶話会」は旧短期大学部体育館で

🌸桃李の会・1978(昭和53)年度の短大卒業生🌸
もの作りが好きで生活芸術科に入りました。自分の発想を広げ、刺激を受けた2年間でした。短大を出てホテルに就職しても創作を続け、今はパッチワークキルターです。短大の学びが今につながっていると思います。娘は跡見中高で学びました。文化祭を見て「絶対にここに入りたい」と言い出して、私と何か通じるものがあってうれしかったです。跡見の女子教育は良かったねと、娘と話します。男子の目を気にせずに、思いっきり学校生活を謳歌できたことで自信を得たように思います。

🌸桃李の会・1990(平成2)年度の短大卒業生🌸
今日も同級生4人で参加しましたが、一生の宝となる友人ができたことが一番ですね。生活芸術科だったので、先生方と美術館を巡ったり、美術家の人生を講話から学んだり。そうした体験が自分にとってすごく良い時間だったなとつくづく思います。海外に行ったときも、先生たちから教わった美術館を訪ねたりします。2年間の学びが人生の潤いになっています。社会に出てから跡見出身の方と出会うことも多く、歴史の深い学校に通えて良かったと思いました。

女子大校友会の「一紫会」はマンドリンクラブOGの演奏で合唱

🌸一紫会・1977(昭和52)年度の女子大卒業生🌸
文学部文化学科でしたが、4年間、月水金はマンドリンクラブで練習をし、そのほかは勉強。月曜日の1限から土曜日の2限までびっしりと授業を入れていました。図書館司書に社会科の教員免許も取りました。学校の先生にはなりませんでしたが、本屋で働いたりしてきました。そして今も学生時代の学びは活きています。幼稚園や小学校、介護施設を訪ねて本を読み聞かせる「語りの会」を続けています。

🌸一紫会・2011(平成23)年度の女子大卒業生🌸
※)東日本大震災で卒業式が中止になった年の卒業生。一紫会のはからいで、ホームカミングデーで「第43回生のための卒業記念セレモニー」を挙行

マネジメント学部マネジメント学科の卒業生ですが、震災が起きて、卒業式が中止になったと聞かされたときのショックは大きかったです。家に卒業証書が届いたのですが、卒業したという実感のないまま、気持ちを切り替えられずに社会人になった感じでした。14年経っても、卒業式がなかったという思いは残っていました。なので、今日の卒業記念セレモニーはすごくうれしかったです。卒業式で着ることのできなかった袴も用意していただいて、とても良い記念になりました。大人になって、こうして母校に戻って来られたことをうれしく思います。