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企画展「跡見花蹊とその遺産展Ⅱ」開催のお知らせ (学内者限定)

2021年3月22日

ごあいさつ

 

2020(令和2)年は、跡見学園の学祖・跡見花蹊の生誕180周年の記念すべき年であった。この節目の年に、花蹊記念資料館は、跡見花蹊の芸術家としての業績と、学園の創立者・教育家としての功績を振り返る展覧会を企画したところであるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により休館となり、展示スケジュールの大幅な変更を余儀なくされるに至った。

このたび、昨年10月かろうじて開催が叶った「跡見花蹊とその遺産展Ⅰ」の続編として、「跡見花蹊とその遺産展II」と銘打ち、芸術家として、また教育者としての学祖・跡見花蹊の足跡をあらためて辿りなおすこととした。

女性にとって必ずしも恵まれていたとは言えない、むしろ困難な時代にあって、自らの努力と才能によって生きる道を切り開き、生涯を女子教育に捧げた学祖のひたむきな姿は、現代を生きる私たちに大きな示唆と啓示を与えてくれるはずである。

新たに跡見学園女子大学で学ぶことになった新入生をはじめ、教職員、来場者の方々に、跡見花蹊の芸術の息吹と教育への情熱を感じ取っていただければ幸いである。

 

 

展示室1「芸術家 跡見花蹊の遺産」では、跡見学園に受け継がれ、現在跡見学園女子大学花蹊記念資料館が所蔵する、花蹊の画と書の代表作を紹介する。

十代の頃から円山派と南画を学んだ花蹊は、生涯この二つの画法を絵画制作の基礎としながら、画題によって自由に自分流の作品を制作していった。それらの特徴が表れた「四季花卉図」「墨梅図」などの大作とともに、台北の故宮博物院収蔵の、花蹊の画帖「故畫 清花蹊女史冊頁」(複製)もご覧いただきたい。

書の作品では、花蹊八十歳の作で、なお教育の道に邁進しようとする心情を綴った「八十自壽詩」、愛弟子に送った書「易経(坤)」などの佳品、そして花蹊および関連の人びとの直筆色紙と短冊をお披露目している。

花蹊資料館には花蹊の「明治天皇御製百首」かるたの版本が複数伝わるが、今回は資料館で唯一の直筆かるたを特に選びだし、版本のかるたを屏風に仕立てた大作とあわせて展示している。

 

 

展示室2「教育者 跡見花蹊の遺産」では、その生涯のほとんどを女子教育に捧げた、跡見花蹊の歩みを紹介する。

なかでも「明治、大正期の女子教育の先駆者たち」の章では、明治政府により女子教育が制度として初めて盛り込まれた学制の頒布から、わずか3年後にいち早く跡見学校の開学を果たした花蹊と、同時期および後代に続く女子教育家たちとの関係を、残された資料によって紹介する。

跡見花蹊はまた、新しい日本の創成期というべき明治期の、渋沢栄一や大隈重信といった要人たちとの関わりも深いことが知られている。花蹊の同時代人として二人について、関係資料を紹介している。

さらに、ご縁の深かった皇室からの拝領品や、昭憲皇太后の許しを得たとされる花蹊着用の紫袴等の貴重資料をご高覧いただきたい。

今回はビデオコーナーを設け、花蹊の画手本及び素描を一枚ずつ映像化した。細部までなかなか眼にすることの難しい、数々の絵のモチーフ、筆致や構図をお楽しみいただきたい。

 

企画展 「跡見花蹊とその遺産展Ⅱ」

・会  場: 跡見学園女子大学花蹊記念資料館 展示室1・2

・会  期:2021年3月25日(木)~5月28日(金)

・開館時間:10時~16時 ただし土曜は12時30分まで

・休 館 日 :日曜・祝日  入館無料

 

※当面の間は学内者限定公開としております。一般公開までは今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。

 

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