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あんなこと! こんなこと!
我が国の母子保健、周産期医療について

13家B I.T(I病院総事務長)

日本の周産期医療は、世界一だということを皆様はご存知でしょうか?
先進4カ国との比較が以下に示す通り、アメリカなどよりずっと数値は良いのです。

先進4カ国の乳児死亡率、妊産婦死亡率の比較(平成19年)

日本アメリカフランスイギリス
乳児死亡率(出生1000対)2.66.63.65.0
妊産婦死亡率(出生10万対)3.618.45.36.7

このように日本の母子保健医療、周産期医療が世界一になった経緯を記してみたいと思います。

古くは、奈良時代の大宝律令の中に女医制度があり、「助産と看護を技とする」とあります。 平安時代に記された医書「医心方」にも母性看護に関する記述がみられ、室町時代になると産科の専門医が現れ、江戸時代末期になると産婆が職業として独立したということです。 明治7年医制が発布され、産婆の資格や職分が規定され、専門職業として歩み始めたということですが、母子保健の水準は低く、乳児死亡は出生1000に対して150以上、妊産婦死亡は出生10万に対して300以上であったと言います。
大正13年になって母子保健法が制定され、母子に対する保護が開始されました。
第二次大戦後、昭和22年に厚生省内に児童局が設置され、母子保健に関する施策が推進されました。 その結果、昭和25年の出生数は年間約230万人で、乳児死亡率は出生1000に対して60.1、妊産婦死亡率は出生10万に対して176.1と統計されています。

平成20年、出生数は109万人で、乳児死亡率は2.6、妊婦死亡率は3.6と、50年間で約40分の1に減少し、大きく改善されました。

このように世界一を誇る日本の周産期医療は、これに携わる産科、小児科、新生児科医師、助産師、看護師、他のコメディカルの知識、技術、努力の賜物でしょう。 特に(我が家のような)開業医の努力、苦労は大きなものでした。

ところが平成14年に厚生省から、今まで行われてきた看護師の行為が、“看護師が内診、助産行為をするのは保助看法に違反する”との通達がなされ、助産師が勤務していない産科診療所は分娩を取り扱えなくなってしまいました。 結果、産科の診療所が無くなってしまい、妊産婦さんが困ってしまう事態が起きました。実際には違法ではないのですが、一般には浸透せず、産科診療所が少ないままです。

出生の場所について調べてみると、大戦前は自宅での分娩がほとんどでしたが、(昭和20年代は自宅分娩が95%以上)、大戦後は施設分娩が主流になり、現在は99.9%が診療所、病院での分娩になっています。 このことも妊産婦死亡、周産期死亡の減少と大きな関係がありますが、何故か今、自宅分娩、助産師に分娩を委ねようとしています。 今後、何らかの規制が必要になってくると思われます。

以上、今騒がれている産科のことについて述べてみました。
女性の皆様は、どんな感想をお持ちになるでしょうか?

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収蔵作品公開 跡見純弘コレクション

第1期平成22年6月19日(土)~8月2日(月)(終了)
第2期平成22年9月21日(火)~11月2日(火)
第3期平成22年11月18日(木)~12月28日(火)
第4期平成23年3月18日(金)~3月31日(木)

会   場 跡見学園女子大学花蹊記念資料館(第2展示室)
開館時間 9:30~16:30
休 館 日 日曜・祝日(但し、10月31日(日)は開館)
主   催 跡見学園女子大学花蹊記念資料館
入 館 料 無料

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編集後記

おとずれ37号をお届けします。皆様に楽しんでいただける誌面をめざしています。
ご意見・ご感想をお待ちしています。

◆◆◆おとずれ ツイッター◆◆◆

久々に『おとずれ』のメンバーに加わりました。最近は編集もパソコンを駆使し、仕事の能率も進歩。改めて学ばせていただいています。
おとずれを読んで頂いていますか。記事の範囲なども毎号限られている中、試行錯誤して編集して居りますが如何でしょうか。
テキパキと段取りを付け、サッサと仕事を片付ける編集長たち・・・。感じ入りました。
記録的な猛暑の中、経験豊かな先輩と、頼もしい後輩からパワーと刺激をもらい、何とか元気で編集できました。皆様、読んでくださいね。
若い編集委員の手早い編集に感心し、感謝の毎回でした。下準備がよくなされているので編集はとても楽しくできました。
2011年3月24日(木)の桃李の会のイベント「奥多摩・青梅を訪ねて」に多くの方のご参加をお待ち致しております。
今回のおとずれで「桃李」と「おとずれ」の由来と意味を知って改めて、素晴らしい名前だと思いました。
生まれたばかりの『おとずれ37号』が、郵便受けから、あっという間にゴミ箱に直行しませんように・・・。
「一人でも多くの方に読んでいただきたい!!」という私達の思いが伝わりますように・・・。

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