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校長就任のご挨拶

今までの教育の方向性を
さらに発展させるべく
教育環境の整備・向上に努めます

跡見学園中学校高等学校校長 嶋田 英誠

 このたび、跡見学園中学校高等学校の校長を拝命しました嶋田英誠です。

 私と山﨑前校長は、かつて跡見学園女子大学において、二人三脚で大学改革に取り組んだ「同志」とも言うべき間柄です。その山﨑先生の後を受けて、私が校長の職を務めるのも浅からぬ縁だと感じている次第です。

 山﨑前校長は就任以来、緩やかに受験に舵を切り、大学進学のための基礎学力の強化に尽力されてきました。改革は着実に成果となって表れ、近年、大学進学実績は大きく伸びています。今春も数多くの高3生が、国公立大学をはじめ、難関私立大学への合格を果たしました。

 同時に、山﨑前校長は跡見の伝統である全人教育、すなわち人間形成のための教育の充実にも力を注がれました。中学では基本的な生活習慣を身に付けた“自律的”人間、高校では自分の将来を見定め、それに向かって努力し、成長していくという“自立型”人間を育成するというものです。

 さらに、学校内で教師や他の生徒と円滑な人間関係を築いていくためにも、卒業後、社会で生きていくうえでも不可欠なコミュニケーションスキルを身につけるためのプログラムも導入され、既に成果が現れ始めています。

 このような山﨑先生の打ち立てた教育理念・方針を継承し、さらに発展させていくのが、私に課せられた使命だと思っています。

 男女共同参画社会と言われる今日、多くの女性が社会で男性と伍して働いています。跡見学園中学校高等学校で学ぶ生徒たちも、いずれはそうした社会のなかで生きていかなければなりません。このような時代だからこそ、私は学園の創始者・跡見花蹊の唱えた教育理念が生きてくると思っています。花蹊は、女性の社会進出など夢物語だった明治初期に、日本人による初めての私立女子学校として跡見学校を開設しました。彼女は茶道や華道、絵画などの芸術を通して、幅広い教養を備えた女性の育成をめざしたわけですが、その教育のキーワードだったのが「目と手と心」です。美しいもの・正しいものを見分ける“鑑識眼”、それを創り出し、相手に提供できる“手(技能)”、自ら感じ取れる“心”を備えた女性を育てるのが目標だったわけです。

 これは、まさに現代で言う情報のインプット、アウトプットに他なりません。大量の情報の中から正しい情報、真に役に立つ情報をインプット(収集・理解)し、他者のためになる情報、有益な情報をアウトプット(発信)できる力は、現代社会のどんな場面でも必要とされます。

 女性の平均寿命が90歳に届こうかという今、これから70年以上の人生を歩んでいく生徒たちには、さまざまな場面で誰かに頼ることなく、自分で考え、判断し、決断し、行動する力が求められます。そのような能力が身につく教育プログラムを、学校全体でシステマティックに構築していくことが、これからの課題だと思っています。

 少子化が進み、学校教育を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。その中で、私立女子学校としての存在意義を高め、生徒や保護者の皆様の満足度を高めるべく、教職員一丸となって教育環境のさらなる向上に全力で取り組んでいく所存です。今後とも、学園関係者の皆様方のご理解とご協力を賜りたく、校長就任のご挨拶としたいと思います。


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