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新校長ご挨拶

建学の精神に立ち返り、
“自律し、自立する”
女性を育てます

跡見学園中学校高等学校校長 山﨑 一穎

長い伝統に根ざした質の高い教育で知られる跡見学園中学校高等学校ですが、近年、そうした跡見らしさがうすれ、不透明になっているという指摘もあります。教育基本法改正、それに続く教育関連法改正等、「教育再生」が国家レベルでも重要課題とされておりますが、着任に当たって私は、跡見におけるマンネリ化した状況を打破し、新たな跡見学園中学校高等学校の姿を形作っていくためには、教職員が一丸となって改革に取り組んでいかねばならないと痛感しました。

そこで、まず4・5月中に教職員90人全員と面談を行い、本校の現状をどう認識しているか、それに対する打開策・改善策はあるか、そのために校長に何を求めるかを問いました。そこで得られた答えは、校長に強力なリーダーシップを発揮して、改革を推し進めてほしいというものでした。

これに応えて、校長として何をすべきか。第一に、受験教育、すなわち大学進学のための基礎学力の強化に重点を置くことを提案します。ご承知の通り、跡見学園は全人教育を教育の基本理念としています。しかし、ここは、保護者の負託に応える「学習指導・進路指導において面倒見の良い学校」となることこそ重要だと考えます。そのために、中高一貫教育のメリットを最大限に生かし、基礎学力の強化に向けたカリキュラム改革を図っていきたいと思っています。

この基礎学力の強化は、跡見学園の建学の精神に立ち返ることにもつながります。学祖・跡見花蹊先生は、婦女子に教育は不要と言われた時代に、社会に生きる女性として不可欠な教養を身につけるための学校を開校しました。現代の中高においては、大学進学に向けた基礎学力を養うことこそ、この精神に合致するものと考えます。そして、このように受験教育へ舵を切ることができるのは、百三十年の伝統を基礎とする跡見の全人教育に一片の揺らぎも生じ得ないとの確信・信頼があるからなのです。

第二に、全人教育、すなわち人間形成の面では、”自律し、自立する“女性の育成に力を注ぎます。中学時代は自律に比重を置き、基本的な生活習慣を身につけることを目標とします。一方、高校時代は自立する人間、つまりそれぞれが個性を発揮し、自ら考え、判断し、行動する人間となることをめざします。また、毎月直接、全中高生に語りかける「校長講話」を通じて、生徒の知的好奇心を喚起することにも尽力したいと思っています。

ただ、このような改革は、事を急いでは十分な成果が得られません。教職員、保護者の共通理解の下に、緩やかな改革を推し進めることが成功の鍵だと考えます。幸い、私には跡見学園大学の学長として、マネジメント学部開設、文学部改組などの改革を行った経験があります。この大学改革を通して得られたことは、今後、中学校高等学校の改革を進める上でも必ず役立つと信じています。

私は大学卒業後、千葉県の定時制高校に国語教師として赴任しました。そこでは、生徒を教えるよりも、むしろ生徒の現実から数多くのことを学びました。ここでの経験が、私の教育の原点となっています。今日まで常に「志は高く、視線は低く」をモットーに教育に取り組んできました。今後も、この姿勢を忘れず、教職員と力を合わせてよりよい学校づくりに取り組んでいく所存です。


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