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学長就任のご挨拶

生涯役立つ教養と
幅広い知識を備えた女性を社会に送り出します

跡見学園女子大学学長 山田徹雄

 このたび、跡見学園女子大学の学長に就任いたしました山田徹雄です。

 跡見学園女子大学は今年度、文学部に現代文化表現学科、マネジメント学部に観光マネジメント学科という2学科を開設しました。
前者は世界から高い評価を得ている現代日本のカルチャーを学び、自ら創造できる人材を養成する学科、後者は観光とホスピタリティを学び、観光ビジネスの発展に貢献できる人材を育てる学科というように、ともにこれまでの本学にはなかった新しい学問分野を開拓する学科であり、教員スタッフもそれにふさわしく、各界で活躍している気鋭の人材を揃えました。おかげで、初年度から多数の志願者を集め、外交的で意欲あふれる学生が数多く入学しました。

 しかしながら、大学を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。
18歳人口の減少を受けて、各大学が志願者の獲得に向けてシノギを削る「大学間競争」の時代が到来しようとしているのです。

 こうした厳しい環境の中、跡見学園女子大学はあえて「大学として王道を行く」という姿勢を堅持していくつもりです。
つまり、「大学は学問の場である」を基本理念に、時代の要請には柔軟に対応しつつも、教育・研究機関としての大学の使命を果たすことをめざすべきであると考えているのです。

 このような考えを持つに至ったのも、近年の学生の考え方や大学の施策が、本来あるべき姿と乖離していると感じていたからです。

 不況による大学新卒者の就職難もあって、最近では在学中に何らかの資格を取得し、少しでも就職を有利にしたいと希望する学生が増えています。
大学側も社会ですぐに役立つ知識や技能の習得、いわゆる“実学志向”を前面に打ち出すところが目立つようになっています。

 しかし、英語力を活かして社会の第一線で働いている人が、すべて英検1級を持っているわけではないように、資格を取得していることが、社会での活躍や収入を保証するとも限りません。
それに、すぐに役立つ知識・技能ほど、すぐに役立たなくなるものではないでしょうか。

 それよりも、生涯にわたって役立つ知識、哲学や文学などダイレクトに就職には結びつかないが、生きていく上での糧となるような知識を学ぶべきであり、それを身につける場が大学です。
もちろん、資格取得をめざすことによって、学びへのモチベーションが高まるという効用もあり、資格取得を目標にすることを否定するつもりは毛頭ありません。
ただ、大学は単なるスキルのみを修得する場でなく、あくまで幅広い教養や人生観などを養う場であるべきだと考えております。

 その意味で、私はこれからの跡見学園女子大学では、社会的要請に応えつつアカデミズムを大切にする教育(これを「教養実践」と呼ぼう)の修得に重点を置きたいと思っています。
それによって、社会人として恥ずかしくない一定レベルの教養と知識を備え、一人の女性として社会の中で生きていける、同時に自分を律することができる、“自律し、自立した”学生を育て、社会に送り出すこと。
それこそが、大学本来の使命と位置づけ、責務を全うしていきたいと考えています。


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